医学部受験を控える親の悩み
医学部を実際に受けるのは受験生です。しかし、親御さんも気が気ではないでしょう。
医学部受験を控える生徒の親御さんはどのような悩みを抱えていることが多いのか、紹介してみたいと思います。
子供の学習面での心配事
学習面での悩みは、子供はもちろん親でも同じように持つものです。
「成績がなかなか向上せず、模試でも結果が出ない」
子供の成績が上がらないことに悩んだり焦る親御さんは多いです。気持ちはよくわかります。しかし、もしそれが高校一年生や二年生、もしくは三年生の前半であれば、そこまで焦る必要はありません。
夏以降に急激に成績を上げるお子さんも少なくないからです。
通常、春から夏にかけては基礎を磨く段階。模試などを受けても思うような判定が出ないことは珍しくありません。お子さんの成績や模試での判定が上がらないことは、そもそも当たり前のことだと思っておきましょう。
志望校の変更など安易に目標を下げるとお子さんのモチベーションも下がってしまいます。そのリスクを考えれば、じっと待つことも重要です。
「予備校を変えようか悩んでいる」
予備校を変えようか悩む親御さんも非常に多いです。うまくいかない時、環境など何かを変えることをまず思いつくのは、とても自然なことでしょう。
ただし、成績が向上しないなどの理由で早々に予備校を変更することはお勧めしません。例外として、対応が悪かったり、生徒一人ひとりと向き合う姿勢が見られない予備校であれば、別の医学部予備校へと変えるのも一つの方法となります。
予備校側と、よくコミュニケーションを図ってください。お子さんのことを理解し、丁寧な指導をしていることがわかれば、そのままの環境で勉強をさせた方が学力も伸ばしやすいでしょう。
子供の精神面での心配事
子供の精神面やメンタルに関する心配をする親御さんも少なくありません。
「集中力がなく、子供のモチベーションも上がらない」
人の集中力は、そもそも長時間、あるいは長期間続かないものです。親御さんも、そのような時はあるのではないでしょうか。
たまには息抜きを入れてあげることも大切。家族で出かけたり、美味しいものを食べたりなど、気分転換の時間を確保してあげましょう。
それでもモチベーションが保てないようであれば、本当に医学部に行きたいのかを今一度確認する必要がありそうです。改めて目標を明確にしてあげれば、自然とモチベーションも上がるかもしれません。
「子供がイライラして精神的に不安定になっている」
お子さんも人間ですから、ストレスはたまります。プレッシャーもあるでしょう。
もしかしたら、親御さんなど家族に八つ当たりすることもあるかもしれません。そのような症状が出ることもごくごく自然なことだと、まずは理解し受け入れてください。
勉強は、理解できたり問題が解けると楽しくなるものです。お子さんに合った参考書などを用意することで、勉強に対するストレスを軽減できる可能性があります。
親御さんが一方的に与えるのではなく、お子さんと一緒に選んだり、お子さんが自ら選択することも重要です。これは志望校や予備校選びなどにも言えること。お子さんの自主性に任せるスタンスを大事にしましょう。
我が子の医学部受験、親が心得るべきこと
医学部受験を控えた子供は、とてもナーバスになっています。親御さんの言動一つでお子さんの合否が変わってくることもあるのです。それを認識した上で接することを心がけましょう。
されて子供が嫌がること
受験生が親にされて嫌がることをしてはいないでしょうか。お子さんが心配なことは理解できますが、子供がされて嫌だと感じることは控えなければいけません。
- 「勉強しなさい」と言う
- 子供の知らないところで予備校の先生に相談などをする
- 「お金がないから現役で合格しなさい」などと経済的な話をする
- 予備校や志望校などを親が勝手に決める
- 相談しても「自分で決めなさい」と無関心な態度をとる
- 他の家の子供や兄弟、親、親戚などと比較する
過干渉も無関心も、どちらも子供にとっては嫌なことと感じることが多いです。親御さんとしては難しいところでしょう。
しかし、適度な距離感を保つことが、子供のためにもなります。心配でも勝手に動いたり命令したりなどは避けなければいけません。
Dr.フクロウ
されて子供が嬉しいこと
受験勉強の最中、子供が親に求めることや、されて嬉しいことなどもあります。それを知っていると、よりお子さんのモチベーションを上げることができます。
- 模試の結果などに対して褒める
- 成績が上がらなくても、勉強したことや頑張った過程を褒める
- 子供が好きなご飯や夜食などを用意する
- テレビや会話など勉強の邪魔になりそうな音を出すことを控える
- 子供の選択や考え方を尊重する
- 予備校の送り迎えをする
さりげないサポートや言葉に、子供は喜ぶものです。意外とシンプルな言動で子供のモチベーションは上がります。過干渉にならない程度にサポートしてあげてください。
親子で医学部受験を乗り切りましょう!
医学部受験を控えた子供が何を考えているのか、親でも把握することはなかなか難しいです。それはいたって普通のこと。
行動を起こす前に、「これは子供のためになるのか」、「余計なことをしていないか」と冷静に考えてみてください。それだけでも子供が喜ぶ言動を心がけることができます。
医学部合格のためには親御さんのサポートが欠かせません。ともに乗り越え、最後は笑顔で春を迎えましょう。